孤独を味わいに回転寿司へ行く
ひとには孤独が必要だ。
無性に1人で回転寿司へ行きたい時がある。
それは身体が酸味と塩味をひたすら欲している時でもあるし、他人との関わりに疲れた時もあるし、単純に美食を楽しみたいタイミングでもあるし、誰にも邪魔されず文句も言わせずに食を楽しみたい時もある。
1人で行く回転寿司は孤独だ。
4人掛け席に案内された時の机の広さと居た堪れなさ、
大将からの視線、
絶妙な寿司に当たった時の感情の行きどころは空を掻く。
それでも1人で行く回転寿司は自由だ。
最初からデザートを頼んでも、
ラーメンを2回食べても、
皿を頭より高く積んでも
高い寿司を二つだけ食べて店を出ても良い。
何を食べようか悩んで十数分メニューを眺めても
連続で同じ物を頼んでも
一皿づつ頼めるから自身の腹と財布と相談しながら食べられる。
私はひとりカウンターに座り
流れる孤独を味わいながら、寿司を食う。