朝見鶏商會私書箱

朝見鶏商會私書箱に届いた怪文書置き場です。

怪文書:じゃがりこ

「いつも笑顔と共に」なんて使い古されたキャッチフレーズだが、菓子業界はこれを大真面目に掲げて日夜お菓子を作っている。何故なら菓子は嗜好品筆頭、気分を良くする為に存在するものだからだ。笑顔が発生するシチュエーションを想像すれば、菓子の余地、つまり商機がある。そんな感じでみんなが知ってて何処でも買える菓子には味・製法・包装・輸送・宣伝まで知恵が詰まってる。すごいね。だから菓子の話は何をとっても面白いんだが、あえてここでは私の個人的な思い出を語ろう。

最近の話だ。

ドラッグストアに行った。レジで会員登録は如何ですかと勧誘に会った。断ろうと口を😮まで開けたところで「今ならじゃがりこ差し上げます」と言われた。結果、スマホにアプリがひとつ増え、手にはじゃがりこがあった。個人情報と引き換えに手に入れた緑のカップ。今でもなんで?と思うが、まぁこのおかげで私は数年ぶりにじゃがりこと再会したわけだ。

すぐに食べたわけではない。じゃがりこはしばらく枕元の文庫本と一緒に積まれていた。何故って……ものぐさだからだよ……。

しばらくして、2回目の某ワクチンを打ったとき事、自分も漏れずしてそこそこの熱が出、そこそこに寝込んだ。体温計と睨めっこし、老舗和菓子屋が粉を入れるタイミングを測るかの様に解熱剤を飲み横になる。数時間後、もうぼちぼち熱も落ち着くだろうというあたり、体力、というか気力が削がれて気持ちはへなへな、お腹もぺこぺこ……自分はさもしわしわのピカチュウを横にしたような様だった。ギブミー元気……という心地の中目に入ったのは緑のカップ。無意識のうちに蓋を開け、おもむろに一本食べた。

じゃがりこの恐ろしい所は食感の良さである。さもハムスターがひまわりの種を齧るかの如くリズミカルな歯応え。うん年前のCMソングが無意識に頭を流れる。ジャガリコジャガリコジャガリコジャガリコ、じゃが、りこ、じゃが、りこ。ジャガリコジャガリコ(略)

程よい塩気、噛み締めると感じるじゃがいもの甘さ、塩気、じゃがいも、塩気……(略)

さぁもう一本と伸ばす手が空振る。いやぁマジで秒で無くなるってあるんですね〜。

おかげですっかり気も逸れエネルギーもゲット、寝床から起き上がることが出来ました。じゃがりこのおかげです。

まぁ、その後もじゃがりこのおいしさに取り憑かれてしばらく毎日食べてたんですが…。